散骨のあとに
PR

粉骨とは。散骨前に必要な理由と依頼先の選び方・費用

粉骨とは 散骨前に必要な理由と依頼先の選び方・費用
海のみおくり 運営者
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

粉骨(ふんこつ)とは、火葬後の遺骨を細かいパウダー状に砕くことです。海洋散骨をする場合、粉骨はほぼ必ず必要な工程で、業界団体のガイドラインでは1〜2mm程度まで細かくすることが求められています。依頼先は大きく分けて「散骨業者にまとめて頼む」か「粉骨専門の業者に頼む」かの2通りで、費用は税込1万円前後から3万円台が目安です。この記事では、粉骨が必要な理由と作業の流れ、依頼先の選び方を順に整理します。

粉骨とは

火葬後の遺骨は、骨の形がある程度残った状態で骨壺に納められます。粉骨は、この遺骨を専用の機械などで細かく砕き、骨の形がわからない状態にする作業です。「パウダー化」と呼ばれることもあります。

厚生労働省の研究事業で取りまとめられた「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」では、散骨の際には「焼骨は、その形状を視認できないよう粉状に砕くこと」とされています。日本海洋散骨協会のガイドラインでは、さらに具体的に「遺骨と分からない程度(1mm〜2mm程度)」に粉末化することを加盟事業者に求めています。

粉骨は散骨のためだけの作業ではありません。遺骨のかさが減るため、小さな骨壺に移して自宅で手元供養をしたり、納骨先の条件に合わせたりする目的で行われることもあります。

散骨の前に粉骨が必要な理由

理由は大きく3つあります。

1. 見た人が遺骨だとわからないようにするため

日本海洋散骨協会のガイドラインでは、遺骨の形のまま散骨すると、見た人にとって遺骨を捨てているのかどうか見分けがつかず、宗教的な感情を害するおそれがあると説明しています。

2. 「節度ある散骨」の前提になるため

散骨は、節度をもって葬送として行われる限り違法とはされていない、というのが一般的な理解です。形がわからない程度まで砕くことは、その「節度」の基本とされています。全国海洋散骨船協会は、厚生労働省の研究報告書で示された散骨ガイドラインで、粉骨が散骨の一部として位置づけられた、と解説しています。

3. 海に還りやすくするため

細かくすることで、遺骨は海の中に広がっていきます。多くの散骨業者は、粉骨した遺骨を水に溶ける紙袋に入れ、袋ごと海に還す方法をとっています。

粉骨の流れ

作業の流れは業者によって細かな違いがありますが、シーセレモニーの公式サイトでは次のような工程が紹介されています。

  1. 遺骨の引き取り(持ち込み・出張・郵送)と、火葬許可証などの確認
  2. 骨壺から遺骨を取り出し、金属などの異物をピンセットや磁石で取り除く
  3. 湿気を含んでいる場合は、洗浄と乾燥(最大48時間)
  4. 専用の機械で2mm以下の粉末状にする
  5. 水に溶ける紙袋に個別に包む

遺骨には、棺の金具や、体の中にあった医療用の金属などが混ざっていることがあります。これらは自然に還らないため、散骨の前に取り除く必要があります。

お墓に長く納められていた遺骨は、湿気を含んでいることが多く、そのままでは粉骨できません。ある粉骨専門業者は、お墓の下に埋蔵されていた遺骨は約90%の確率で湿気を帯びている、と公式サイトで説明しています。墓じまいに伴う粉骨では、乾燥の費用も見込んでおきましょう。

費用の目安

公式サイトで確認できた料金を整理すると、次のとおりです(いずれも税込)。

依頼先粉骨の基本料金主な追加費用
まごころ粉骨(粉骨専門)9,000円〜1万2,000円(骨壺の大きさによる)乾燥、郵送の場合は送骨セット2,500円〜など
ゆたかに粉骨(粉骨専門)持ち込み8,500円〜1万4,000円、郵送1万500円〜1万6,000円立ち会いや出張は別料金
シーセレモニー(散骨業者)3万3,000円乾燥1万1,000円、立ち会い2万2,000円、出張引き取り
みんなの海洋散骨(散骨業者)各散骨プランに込み遺骨の引き取りスタッフ手配は別途

粉骨専門の業者は、粉骨だけであれば1万円前後から頼めるところがあります。一方、散骨業者に頼む場合は、散骨の準備とあわせて進められるのが利点です。最新の料金は各社にご確認ください。

追加になりやすい費用

  • 乾燥・洗浄:お墓から取り出した遺骨など、湿気を含む場合
  • 六価クロムの処理:古い火葬炉で火葬した遺骨に付着することがあるとして、検査や処理をオプションで用意している業者があります
  • 出張引き取り:自宅まで遺骨を受け取りに来てもらう場合
  • 送骨セットや送料:郵送で依頼する場合
  • 骨壺の返却:粉骨後に骨壺を送り返してもらう場合

依頼先の選び方

散骨まで決まっているなら散骨業者にまとめる

散骨をする会社が決まっているなら、粉骨もその会社にまとめて頼むと手間が少なくすみます。乗船する人数に合わせて紙袋を小分けにしてもらえる会社もあります。粉骨代がプランに含まれているかどうかは会社によって違うため、見積もりで確認しましょう。

散骨の時期が未定なら粉骨専門業者も選択肢

「散骨するかどうか、まだ家族で話し合っている」「一部は手元に残したい」という段階なら、先に粉骨だけを専門業者に頼む方法もあります。粉骨しておけば遺骨のかさが減り、自宅で保管しやすくなります。

「散骨と手元供養の組み合わせ方」

日数にも余裕を

粉骨には日数がかかります。シーセレモニーのFAQでは、粉骨の支度に7〜10日ほどかかるため、散骨の予約日の10日前までを目安に遺骨を預けてほしいと案内しています。一方、急ぎの依頼に優先して対応する粉骨専門業者もあります。散骨の日程が決まっている場合は、逆算して早めに依頼しましょう。乾燥が必要な遺骨は、さらに日数がかかることがあります。

確認しておきたいポイント

  • 作業の立ち会いや、作業前後の写真の提供ができるか
  • 1件ごとに機械を分解・洗浄するなど、ほかの遺骨と混ざらない工夫をしているか
  • 取り除いた金属などの扱い(返却か処分か)
  • 粉骨証明書を発行してもらえるか
  • 散骨用の水溶性の袋に入れてもらえるか、小分けにできるか
  • 郵送を受け付けているか、返送料は誰が負担するか

一部を手元に残す「分骨」も同時に頼める

粉骨のときに、遺骨の一部を小分けにして手元に残すこともできます。シーセレモニーの粉骨ページでは、手元供養品に遺骨の一部を納めることや、自宅で供養できるように分骨することも可能と案内しています。粉骨専門業者でも、まごころ粉骨は少量の分骨(約20g×3つまで)を基本料金に含め、ゆたかに粉骨は3袋までの分骨を無料としています。

散骨するか迷っている方や、親族の中に「少しは残しておきたい」という人がいる場合は、粉骨の段階で分けておくと後から慌てずにすみます。

郵送で依頼する場合の注意点

遠方の業者に頼む場合は、遺骨を郵送することになります。シーセレモニーやみんなの海洋散骨の公式サイトでは、いずれも郵便局のゆうパックで送るよう案内しています。

同封する書類は業者によって異なりますが、火葬許可証(埋葬許可証)の写し、申込書、申込者の身分証明書の写しなどを求められることがあります。火葬許可証の原本は、骨壺を納めた桐箱の中に入っていることが多いので、原本は手元に保管し、写しを送るようにしましょう。

また、ある粉骨専門業者は、遺骨そのものは価値をつけられないため運送の損害賠償の対象外になる、と注意を呼びかけています。心配な方は、持ち込みや出張引き取りに対応している業者を選ぶ方法もあります。

船の上から見た「粉の細かさ」

最後に、船を出す立場から一つだけ付け加えます。海の上では、地上で思っているより風が強く吹きます。粉骨した遺骨はとても細かいため、少しの風でも舞い上がりやすいと考えられます。袋から直接撒こうとすると、風向きによっては船や乗っている人にかかってしまいます。水に溶ける紙袋に入れたまま海面近くで手放す方法が多く使われているのは、このためでもあると考えられます。自分たちで散骨する場合も、業者に任せる場合も、袋の形や小分けの数は事前に相談しておくと安心です。

まとめ

粉骨は、遺骨を1〜2mm程度のパウダー状にする作業で、海洋散骨の前にはほぼ必ず必要になります。見た人が遺骨とわからないようにすることが、節度ある散骨の前提とされているためです。費用は粉骨専門業者なら1万円前後から、散骨業者では3万円台が目安で、プランに含まれている会社もあります。お墓から取り出した遺骨は乾燥の費用がかかることが多い点にも注意しましょう。最新の料金や条件は、各社にご確認ください。

参考

ABOUT ME
記事URLをコピーしました