当日と船のこと
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船上で遺族がやること・やらなくていいこと。安全な動き方と当日の流れ

船上で遺族がやること・やらなくていいこと 安全な動き方と当日の流れ
海のみおくり 運営者
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海洋散骨の当日は、港に集合して乗船し、沖の散骨ポイントで散骨・献花・献酒・黙とうをして、港に戻るのが一般的な流れです。出航から帰港までは1〜2時間ほどの例が多く見られます。遺族がやることは多くなく、船の操縦や散骨ポイントの記録、段取りは業者が行います。遺族にいちばん気をつけてほしいのは、船の上での動き方です。移動するときや立っているときは、とにかく何かにつかまり続けてください。

私は関西・瀬戸内で自分の船(プレジャーボート)を出している船のオーナーです。散骨事業者ではなく、散骨に立ち会った経験もありません。当日の流れは業者が公開している情報をもとにまとめ、船の上での動き方については、私が自分の船に乗って感じていることをお伝えします。

海洋散骨当日の流れ

業者の公式サイトで紹介されている流れをまとめると、おおむね次のようになります。細かな順番や内容は業者によって違います。

流れ内容業者の案内の例
1. 集合乗船場所に集まる出航の10分前まで(みんなの海洋散骨)、約15分前(海洋散骨 一花)
2. 乗船・説明ライフジャケットを着て、船長やスタッフから注意事項を聞くブルーオーシャンセレモニー、海洋散骨 一花
3. 航行沖の散骨ポイントへ向かう概ね30分程度(シーセレモニー)、20〜40分程度(海洋散骨 一花)
4. 散骨水に溶ける袋に入れた遺骨を、代表者から順に海へ還すシーセレモニー
5. 献花・献酒花びらを海にまき、お酒を手向けるシーセレモニー、みんなの海洋散骨など
6. 黙とう・周回鐘の音とともに黙とうし、花びらの周りを船で回るブルーオーシャンセレモニー、みんなの海洋散骨など
7. 帰港乗船場所に戻り、解散20〜40分程度(海洋散骨 一花)
8. 証明書散骨した場所の緯度・経度を記した証明書を受け取る後日送付(海洋散骨 一花)

所要時間は、シーセレモニーのファミリー散骨プランで約90分、ブルーオーシャンセレモニーで出航から帰港まで約1〜2時間と案内されています。散骨の順番は業者によって違い、献花や献酒を先に行うところもあります。

海洋散骨の散骨方法は、水に溶ける紙袋に遺骨を入れて袋ごと海へ還す方法が一般的だと紹介されています。袋ごとなら、風で遺骨が舞い上がることもありません。業者によっては、直接海面に注ぐ方法や、水に溶ける骨壺を使う方法もあります。

遺族がやること

当日、遺族がやることは次のとおりです。思っているより少ないと感じる方も多いと思います。

  • 集合時間に遅れない。清蓮の案内では、遅れると出航に影響し、延長料金がかかる場合もあるとされています
  • 酔い止めを飲むなら、薬の説明書に書かれたタイミング(目安は乗る30〜60分前)で飲んでおく
  • ライフジャケットを正しく着て、出航前の注意事項をよく聞く
  • 散骨ポイントで、スタッフの案内に合わせて遺骨を海へ還す
  • 献花・献酒をし、黙とうする
  • 体調が悪くなったら、すぐにスタッフへ伝える

散骨の前に、誰が最初に遺骨を還すか、手紙を読むか、故人の好きだった音楽を流すかなどを家族で決めておくと、当日は落ち着いて過ごせます。音楽を流せるかどうかは業者に確認してください。シーセレモニーのよくある質問では、音楽の再生ができると案内されています。

遺族がやらなくていいこと

一方で、次のようなことは遺族が気にしなくて大丈夫です。

  • 船の操縦、ロープの扱い、船を止める位置の判断:船長とスタッフの仕事です
  • 散骨した場所の記録:日本海洋散骨協会のガイドラインでは、遺族の希望に応じて、散骨した場所の緯度・経度を記した証明書を業者が発行し、場所の記録を10年間保管することとされています
  • 花やお酒の準備:プランに含まれていることが多い。シーセレモニーのファミリー散骨プランには、献花用の花びらと献酒用の日本酒が含まれると案内されています
  • 全員が船べりに出ること:体調や足元に不安がある方は、座ったまま手を合わせてかまいません
  • 海に何かを多く撒くこと:お酒は大量にまくと海の汚れにつながるため、節度ある量にとされています。金属やプラスチックなど、自然に還らないものはまきません

「きちんと送り出さなければ」と気負う必要はありません。段取りは業者に任せ、家族は故人を思う時間に集中してください。持ち物や服装については「海洋散骨当日の服装と持ち物」で紹介しています。

船の上で危ない場所は「全部」

ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。船の上で危ない場所はどこかと聞かれたら、私は「全部」と答えます。船は常に揺れていて、床はしぶきで濡れていることもあります。安全な場所というものは、船の上にはないと考えてください。

移動するとき、立っているときは、つかまり続ける

船の上で移動するときや立っているときは、とにかく何かにつかまり続けてください。手すり、座席の背もたれ、柱など、どこでもかまいません。片手は常に船のどこかに、と覚えておくとよいでしょう。そのためにも、荷物は少なくして両手が空くようにしておくのがおすすめです。

ブルーオーシャンセレモニーの案内でも、散骨ポイントに着いてデッキへ移るとき、「船は止まると揺れますので、移動する際は足元に十分気を付けましょう」と注意しています。走っているときより、止まって波に揺すられているときのほうが、足元が不安定に感じることもあります。

発進のときは特に注意

船が動き出す瞬間は、特に注意が必要です。港を出るときも、散骨ポイントから帰るときも、発進のときは体が後ろに持っていかれます。立っていると、よろけたり転んだりしやすくなります。

散骨や黙とうが終わってデッキにいるときは、船が動き出す前に座るか、しっかりつかまっておきましょう。スタッフから「動きます」と声がかかったら、その場で立ち止まって体を支えてください。

船尾に立つときは、操船者から見えていないことがある

船尾(船のうしろ)に立っているときは、特に気をつけてください。船の形によっては、操船している人から船尾が見えていないことがあります。船長は、あなたがそこに立っていることに気づかないまま船を動かすかもしれません。

船尾で散骨や献花をする場合は、終わったらスタッフに声をかけ、船が動き出す前にもとの席へ戻りましょう。自分がどこにいるかを、スタッフや船長に分かるようにしておくことが大切です。

身を乗り出さない、片側に集まりすぎない

散骨や献花のときは、つい海のほうへ身を乗り出したくなります。船べりから体を大きく出すと、揺れたときにバランスを崩して転落するおそれがあります。遺骨や花は、手が届く範囲で、そっと海へ還せば十分です。

シーセレモニーの船選びの解説では、参列者がデッキの一か所に集まることが多く、小さな船では船体が傾く危険があると指摘されています。散骨の順番や立つ位置は、スタッフの指示に合わせてください。船の大きさによる違いは「小型船とクルーザーの違い」で紹介しています。

子どもから目を離さない

ブルーオーシャンセレモニーは、子どもが乗船する場合、保護者は子どもから目を離さないようにと強く案内しています。未就学児は乗船できない場合もあるとされているので、小さな子どもが参加する場合は事前に確認してください。

乗り降りと体調にも気を配る

乗り降りも、船の上と同じく気が抜けない場面です。ご高齢の方は、先に誰かに船へ乗ってもらい、手を添えてもらって乗るのが安心です。焦らず、スタッフの合図に合わせて一歩ずつ移ってください。

船酔いで気分が悪くなったときも、無理に立ち上がって移動しないでください。座ったままスタッフを呼ぶのが安全です。船酔いの対策は「海洋散骨の船酔い対策」で詳しく書いています。

なお、天候によっては当日の朝や前日に延期が決まることもあります。延期の判断は「海洋散骨が天候で中止になる基準」にまとめています。

まとめ

  • 当日は集合・乗船・航行・散骨・献花と献酒・黙とうと周回・帰港の流れ。出航から帰港まで1〜2時間ほどの例が多い
  • 遺族がやるのは、時間を守る、注意事項を聞く、散骨・献花・黙とうをすること
  • 操船や場所の記録、花やお酒の用意は業者に任せてよい
  • 船の上で危ない場所は全部。移動・立っているときはつかまり続ける
  • 発進のときと、操船者から見えにくい船尾にいるときは特に注意する

船の上での動き方は、私が自分の船に乗って感じていることです。散骨に使う船の構造やルールは業者ごとに違うので、当日は必ず船長とスタッフの指示に従ってください。海洋散骨の全体像は「海洋散骨とは?」で紹介しています。

参考

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