海洋散骨を知る
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海洋散骨で後悔しないために。よくある後悔のパターン

海洋散骨で後悔しないために よくある後悔のパターン
海のみおくり 運営者
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海洋散骨の後悔でよく挙げられるのは、「すべて撒いてしまい、手を合わせる場所がなくなった」「家族や親族と十分に話さずに決めてしまった」の2つです。どちらも、急がずに準備することで防ぎやすいものです。散骨には法律上の期限はないとされているので、気持ちの整理がつくまで待つこともできます。この記事では、よく挙げられる後悔のパターンと、その防ぎ方をまとめます。

なお、散骨後の後悔について、公的機関や業界団体が統計をまとめた資料は、執筆時点で見つけられませんでした。そのため、ここで紹介するのは特定の人の体験談ではなく、散骨の注意点として一般によく挙げられる内容です。

遺骨とお参りの場所をめぐる後悔

パターン1:すべて撒いて、手を合わせる場所がなくなった

最もよく挙げられるのがこのパターンです。散骨した直後は「故人の望みをかなえられた」と感じても、月日がたつと、命日やお盆に向かう場所がないことを寂しく感じる場合があります。

厚生省(当時)の懇談会の議事要旨(1997年)にも、散骨には「墓を持ち、一部の遺骨を散骨する形」と「すべての遺骨を散骨して墓を設けない」形がある、という委員の意見が記録されています。全部か一部かは、最初に考えておきたい分かれ道です。

防ぎ方:遺骨の一部を手元に残す(手元供養)、一部をお墓や納骨堂に納める、といった方法があります。みんなの海洋散骨の公式サイトでは、散骨する人の「半数以上が分骨を行っている」と紹介されています。迷うなら、少しだけでも残しておくと、あとから選び直す余地が生まれます。

パターン2:急いで決めてしまった

葬儀の直後は、気持ちも時間も余裕がない時期です。その中で散骨まで決めてしまい、あとから「もう少し考えればよかった」と感じる場合があります。

防ぎ方:海洋散骨シーセレモニーの解説記事では、散骨や納骨に決まったタイミングはないとされています。四十九日や一周忌、三回忌など、親族が集まる節目に合わせる考え方もあります。遺骨を一度自宅に安置し、気持ちが落ち着いてから決めても遅くはありません。

家族・故人・お寺をめぐる後悔

パターン3:家族・親族と話し合わずに決めてしまった

散骨を終えてから「なぜ相談してくれなかったのか」と言われ、関係がぎくしゃくするケースもよく挙げられます。一般社団法人全国優良石材店の会の調査(2020年、1都3県)では、家族が散骨を希望した場合に「賛成する」と答えた人は49.2%で、「どちらともいえない」が41.1%でした。身近な人でも、すぐに賛成できるとは限らないということです。

防ぎ方:決める前に、きょうだいや故人に近い親族には一度話しておきましょう。反対があった場合の説明の仕方は「海洋散骨に反対されたら」親族に反対されたときの説明の仕方と分骨という選択肢で紹介しています。

パターン4:故人が本当に望んでいたのか、わからなくなった

「海が好きだったから」と遺族が判断して散骨したものの、あとになって「本当はお墓に入りたかったのでは」と迷いが出ることがあります。日本海洋散骨協会のガイドラインでは、散骨は本人の生前の希望、または葬儀を取り仕切る立場の人からの申し込みによって行うこととされています。

防ぎ方:エンディングノートや遺言、家族への言葉など、本人の意思がわかるものがないか確認しましょう。はっきりしない場合は、一部だけを散骨する方法も考えられます。生前に考えている方は、家族に希望を伝えておくことが、残された人の迷いを減らします。

パターン5:菩提寺や周囲への連絡が後回しになった

先祖代々のお墓がお寺にある場合、散骨を決めてから報告すると、お寺との関係がぎくしゃくすることがあると言われます。お墓から遺骨を取り出して散骨する場合は、墓地の管理者との手続きも必要になります。

防ぎ方:検討している段階で、菩提寺(家が代々お世話になっているお寺)に相談しておきましょう。散骨後の法要をお願いできるかどうかも、このときに聞いておくと安心です。

契約と当日をめぐる後悔

パターン6:料金や内容が思っていたのと違った

「〇万円〜」の表示だけを見て申し込み、粉骨や献花、証明書などが別料金だった、というのもよく挙げられる注意点です。国民生活センターは葬儀サービスについて、広告の料金でサービスを受けられるとは限らないと注意を呼びかけています。

防ぎ方:厚生労働省の研究報告書で示された散骨ガイドラインでは、事業者に文書での契約と費用の明細書の添付を求めています。見積もりは書面でもらい、含まれるものと含まれないものを確認しましょう。確認項目は「海洋散骨のトラブル事例と防ぐ方法」海洋散骨のトラブル事例と防ぐ方法のチェックリストも参考になります。

パターン7:当日、思うように見送れなかった

船を出す立場から見て、当日に起こりやすいのは次のようなことです(散骨に立ち会った経験ではなく、海と船の一般的な話です)。

  • 船酔いで気分が悪くなり、落ち着いてお別れができなかった
  • 天候で延期になり、集まる予定だった親族の都合が合わなくなった
  • 代行(業者に任せる方法)にしたが、やはり自分の手で見送りたかった

港では穏やかに見えても、沖はうねりが残っていることがよくあります。船が止まっている時間は、走っているときより揺れを感じやすいものです。

防ぎ方:酔い止めを用意する、延期になった場合の予備日を決めておく、といった準備が役に立ちます。代行にするか乗船するかは、費用だけでなく「自分の手で見送りたいか」で決めるとよいでしょう。家族だけで船を借りる貸切、複数の家族で乗り合わせる合同、業者に任せる代行の違いは「個別散骨・合同散骨・代行散骨の違い」個別・合同・代行の違いの記事で整理しています。

また、高齢の方や足の不自由な方が乗船する場合は、桟橋から船への乗り降りに気をつけたいところです。船は岸壁に固定されていても、波で上下に動きます。事前に業者へ伝えておけば、乗り降りの手助けや、揺れにくい席の案内などを相談しやすくなります。

「迷ったら一部を残す」が効く理由

ここまでのパターンの多くは、「一部を残しておけば選び直せた」という点で共通しています。遺骨をすべて撒いてしまうと元に戻せませんが、少しでも残しておけば、あとからお墓や納骨堂に納める、もう一度散骨する、といった選択ができます。

分けた遺骨を将来お墓や納骨堂に納める可能性があるなら、分骨証明書(火葬や埋蔵・収蔵の事実を証明する書類)を火葬場や墓地の管理者からもらっておくと手続きがスムーズです。墓地埋葬法施行規則5条に、この書類の交付についての定めがあります。

後悔を減らすための準備

  • 故人の意思がわかるものを確認する
  • 家族・近い親族に事前に話しておく
  • すべて撒くか、一部を残すかを決める
  • 見積もりと契約内容を書面で確認する
  • 散骨証明書(緯度・経度の記録)を受け取る
  • 散骨後の供養の形をイメージしておく

日本海洋散骨協会のガイドラインでは、遺族が希望すれば散骨した場所の緯度・経度を示した散骨証明書を交付し、記録を10年間保管することとされています。散骨証明書があれば、あとで同じ海域を訪ねることもできます。散骨後の供養の方法は「海洋散骨その後の供養」散骨した後の供養の記事で紹介しています。

まとめ

海洋散骨の後悔は、「やり直せない」ことから生まれるものがほとんどです。急がないこと、家族と話すこと、迷うなら一部を残すこと。この3つを意識するだけでも、後悔はかなり減らせるはずです。デメリットとメリットの全体像は「海洋散骨のデメリットとメリット」海洋散骨のデメリットとメリットもあわせてご覧ください。

参考

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